【私論】友達ってなんだ

 

「ゲームとかスマホとかほんとじゃま!」

これは私の口癖だ。

スマートホンのことを「ゴミホン」と言うこともある。

もちろん適切に使えれば最高だ。

しかし小学生や中学生にはそれは無理だ。

大人だって電車の中でスマホでゲームをしている人がたくさんいるのが現実だ。

 

スマホやゲームをすればするほど成績が下がる。

そんな生徒を何人見てきたことか。

 

 

さて最近生徒が私にこんな質問をしてきた。

生徒「先生は子どものころゲーム持ってた?ゲームしてた?」

私「持ってなかったよ」

正しくは私が小学校1年生のころ、父親がファミコンとスーパーマリオのカセットを買ってきてくれた。しかし私のテレビゲームをする姿が母親にはよっぽど気に入らなかったのだろう。いつしかファミコンもスーパーマリオのカセットもどこかにいってしまった…

その話を母親にすると、

「そんなことあったっけ?」と母親は言う。

年を取ると都合の悪いことは記憶から消え去るようだ。

便利な脳をお持ちのようで(笑)

 

話を戻す。

私の持ってなかったよ」

という返答にとても生徒は驚いていた。

そしてびっくりするような質問がとんできた。

生徒「先生いじめられなかった?」

私「えっ?なんで?」

 

生徒曰く、みんなと同じもの(例えばゲーム)を持っていないと、

① いっしょに遊べない

② だから友達になれない

③ 遊びにいれてもらえない。

④ だからいじめられる(仲間はずれになる)

というロジックのようだ。

 

ばかばかしさをとおりこして、悲しくなってきた。

私はゲームを持っていないことで、いじめられたこともなければ、寂しい思いをしたことも1度もない。

むしろ今となっては母親に感謝すらしている。

あのままゲームをし続けていたら、僕はダメになっていたような気がするから。

 

子どもは親にこんなふうに言うのであろう

子「スマホみんな持ってる」

子「スマホないといじめられる」

子「だからスマホ買って」

こんなん聞く耳持つ必要まったくなしなんだけど

親は

もしいじめられたら?

とか

さびしい思いをしたら?

と余計な心配をしてしまうのだろう。

それでついつい買ってあげてしまうのである。

 

同じものを持っていないと友だちになれないってどういうことなのか。

そもそもそんなの友達でもなんでもない。

 

自分は個性的でありたいと思っている子は多い。

いわゆるオンリーワンというやつ。

にもかかわらず、同じものを持っていたい。

この矛盾はいったいなんなんだろう?

 

僕は今まで自分にないものを持っている人と友達や恋人になってきた。

そして自分に持っていないものを持っている相手を尊敬していた。

友だちってそういうもんだと思ってきた。

しかし目の前の生徒は違う。

 

本当は説教じみたことを言ってやろうかと思った。

でもそれは口にはださず、

その子に

「いつか本当の友だちができるといいね」

とだけ言った。

いつかこの言葉の意味を分かる日が来ることを願う。